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あくまでもピースフルな気持ちなんです

こんばんは。


タケベです。


さぁ、昨日7月6日(水)からAPOCRYPHA.とASOBINoBAによるエクスクルーシブなアイテムが発売されました。

ご購入いただきましたお客様には改めて心より感謝申し上げます。

どの商品も自分の選り好んでオーダーしたものですので、どの商品をお買い上げしていただいても嬉しいのですが、別注は特別な想いがこもっておりますので、特に嬉しいのです。







さて、その別注についてのお話をしていこうかなと思います。


旧日本軍のミリタリーパンツとデニムの"大戦モデル"という第二次世界大戦下における日本とアメリカの要素を掛け合わせた2TUCKS WIDE BAGGY DENIM PANTS です。


(真面目な紹介はYouTubeでしているのでそちらでチェックしてもらえてたら嬉しいです。このブログでは僕の想い的なことを記しておこうと思います。*こちらのブログも至って真面目ではありますので、お付き合いください笑)


個人的にはコレ


どうしてもAPOCRYPHA. でなくちゃならなかった。

APOCRYPHA.のデザイナー播本さんとやりたくて堪らなかった。







いや、そもそもコレを思い付いてしまったのも、

APOCRYPHA.の定番のスラックスで2TUCKS WIDE SLACKSというものがあったのと、

人気のデニムシリーズで"大戦モデル"という要素を用いていたからなのですがね。





ただこのアイテムを製作するにはAPOCRYPHA.や播本さんのファッションに対する姿勢が必要不可欠でした。



ファッションの力、凄さというものは

社会がどのような方向に向かって行くのか。

それの矢印を決めることができる力がある。



このような言葉に最近出会いまして。


約10年ほど前に遡るのですが、僕が高校2年生くらいでアルバイトを始め出して、ファッションにどっぷりとハマり出した頃。


(10年前に高校2年生???話を盛らないでください!と言われ兼ねないので、一応。。。お店に来てくださるお客様やYouTubeを見てくださっているお客様にはよく年齢にびっくりされることが多いですが、こんな髭面で中年体型ではありますが、94年生まれで誕生日はまだ来ていないので27歳です。)


放課後や土日はスーパーで品出しのアルバイト三昧だったのですが、お給料の大半に近い約5万円ほどのお金を握りしめて、毎月のように通い詰めていたセレクトショップが新潟・古町にあるのですが、そこを運営している方と有難くも盃を交わす機会がつい先日ありました。



その時にその方がおっしゃってくださり、

改めてファッションの力、凄さというものについて言語化出来た!と感じました。


今回の別注をAPOCRYPHA.の播本さんとどうしてもやりたかった理由はこれだ。

となったのです。


例えば、22年春夏シーズンは"THE BODHI"というテーマを掲げた。

それは"弔う気持ち"というものである。



以下はブランドの公式のステイトメント。


22 S/S COLLECTION 2022春夏発表のコレクションアイテム。テーマはサンスクリット語で「菩提」を意味する“THE BODHI”。着想源となった作品は、竹山道雄氏による『ビルマの竪琴』。本作品は大東亜戦争の最中、ビルマ戦線において、帝国陸軍により開始された史上最悪の作戦と称されるインパール作戦をモチーフにし、ビルマで犠牲になった16万にも及ぶ日本兵への弔いの作品である。“前向き”であることが求められるファッション業界に対して「振り返りながら前を向くべき」と疑問を呈したコレクションとなっている。





センシティブかつ目を背けたくなってしまう事柄にフォーカスを当てる。

そしてその事柄を題材に、ファッション業界の性質に疑問を呈する姿勢を示した。


テーマ、そしてこの姿勢を示したこのシーズンにどうしてもやらなければならないと思ったのです。



これはAPOCRYPHA.の21-22A/W COLLECTION "THE REJECT"のステイトメントの一部抜粋。

言葉や言語による些細なすれ違いは時に文脈を大きく左右し、多くの犠牲者を産んでしまう。多くの悲惨な歴史には 必ず原因となる言葉があり、更に受け手の解釈がある。このテーマは決して戦争賛美や、被害者意識等ではなく、メール やSNS等の発展で発信することが容易になり、言葉の単価が最も安い現代に今一度歴史を振り返り、一人でも多くの人 が考える切っ掛けとなれば良い、そんな思いを込めたコレクションです。


このような言語の行き違いというのもこの別注のテーマにあります。

アビ・ア・ラ・フランセーズというAPOCRYPHA.が定番アイテムとして提案しているジャケットもそう。


今回の別注を少し分解してみると、

旧日本軍のミリタリー物って日本人なのにあまり見たり触れたりする機会が少ないように感じるのです。

ファッションとして着ている人が多いのってやっぱりU.Sとかユーロだと思う訳です。


旧日本軍のミリタリー物。

もちろん物として残ってはいるけど、少ない。

やはり敗戦国なのだなと感じるんです。




そして、デニムといえばやはりアメリカ。

しかも今回の別注では第二次世界大戦当時に生産されていたデニムの"大戦モデル"という要素を孕ませました。


戦争下において物資不足を理由に様々な簡略化が進み、リベットだったりシンチバックだったりが排除されてしまった。

けど、あくまでデニムはワークウェアだから耐久性は大事。という事で物資不足でありながら、

その結果むしろ生地自体の耐久性は上がったのだ。

そんな逸話を持ち、今でもヴィンテージ として価値の高い物として扱われている。


そんな"大戦モデル"でも使用されているメンフィス綿で旧式シャトル機によって丁寧に織られたセルヴィッチデニムを掛け合わせたものになります。



ただし、シンチバックに関してはどうしても入れたかったので採用。

腰回りのフィット感は申し分ないので必要ないと言えばないのですが、

サイズ展開も3サイズ用意はしてるけど、さらに多くの人に届けれたらいいなと思いつけてもらってます。


戦争下における物資不足や生産効率、生産スピードを上げて、誰にでも履きやすくするという旧日本軍のミリタリーパンツの股上が深い理由に近い意味合いです。


あと単純にシンチバックがあった方がバランスも面も好みだったので。



こうして


第二次世界大戦下における日本とアメリカの要素を掛け合わせた、唯一無二のデニムが出来上がりました。



このご時世。

炎上しちゃうかな?なんて思ったりもしました。

(いや、炎上するのであればある意味本望だったかもしれない。ファッションを好きな方がそれくらい政治や歴史について考えているのであればむしろ喜ばしいことです。※ただし、決して言い合いや正義を振りかざされることが好きな訳ではないですよ。)




ただそれでも

この時代に作ることにも意味があると思ったし、


「振り返りながら前を向くべき」という播本さんの言葉に背中を押され、

気づけばこのような別注の製作をお願いしておりました。



今回の別注アイテムの想いについて殴り書きのようにベタ打ちしてしまったので、

読みづらかったりすると思いますが、ここまで読んでいただけたのであればとても嬉しいです。




そうそう、あくまでも僕はいたってピースフルです。


だからこそ


弔いの気持ちを込めて

"振り返りながら前を向こう"


そんな特別な想いのこもった別注アイテムになります。




ま、難しいことはさて置いて。

めちゃくちゃに格好良いものが出来上がりました。


体型や年齢も様々な方々に楽しんでもらえるようサイズ展開も3サイズのご用意。


デニムが好きな目の肥えた方にはぜひ一度ご覧いただきたいですね。

そんな方にこそ響くんじゃないかなと思っております。









街歩くおじさんのデニムの履きこなしがなんだか格好良く思えて、

少しボロいデニムを古着屋で探して、街を歩いた。

なんだか思っていたものと違った。



きっとおじさんとそのデニムは長年連れ添ったのだろう。あの自然なヒゲ。違和感のないアタリ。




僕もこのデニムをそうやって育てて行きたい。






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