MASU (エムエーエスユー) 21AW "codes" メンズウェアにおける新たな男性像
まだまだ新潟も暑い日が続いておりますが、各ブランドより秋冬アイテムが到着しております。
まず秋冬1発目のご紹介は、M A S U(エムエーエスユー)。
本来であれば7/31に行われた22SSのランウェイも出席し、生で観たかったのですが、
11月にパパになる為、猛威を振るっている"アレ"のことも考慮し控えさせていただきました。
ただこんな大変なご時世にも、明るい兆しを見せてくれたランウェイは写真で見ても圧倒されてしまうコレクションでしたので、ぜひ皆様も一度チェックしてくださいね。
M A S U 21AWコレクションはブログでご紹介する前に、完売してしまったアイテムも多数ございまして、申し訳御座いません、、
NOUVERTEmagazineやASOBINoBAのお客様はもちろん、ファッション好きの方はすでにご存知だと思いますが、今一度 MASU (エムエーエスユー) 21AW "codes"についてご紹介させていただきます。
M A S U(エムエーエスユー)の2021年秋冬コレクションで掲げられた「codes」は、デザイナーの後藤愼平が手掛ける、2018年秋冬のリブランディング以降のワークに共通するワードとして浮き上がってきたものでした。
そして「codes」は、ブランドとして初となるファッションショーにおいても、愛知県の名古屋市、都市の中心からいくばくか離れた、大きな緑地や湿地もある自然豊かなエリアに生まれ育った彼の、ルーツや嗜好、偏愛を、暗示的に言及するのにふさわしいワードでもあります。PERIMETRON(ペリメトロン)の佐々木集 氏をディレクターに迎えたショーテーマは、「Dear A Man Like You were (I was),」と名付けられました。
ヴィンテージウェアを愛するデザイナーは、コレクションのテーマと関連する衣服の歴史や背景を紐解いていくことに余念がありません。ことさら、メンズウェアは、時代性、当時のデザイン哲学や美学、それらを内包した文脈(コンテクスト)のうえに成り立っており、素材、フォルム、カッティング、ディテール、付属、縫製、加工方法といった意味合いの集合体に、端的な名がつけられていると考えます。
彼は、さまざまな意味が地層のように重なっていること、そこに潜む「細部」を知ることに喜びを感じるのだといいます。
彼は、深層に潜り込み、再発見を繰り返していきます。それらは愛すべき稚気を帯び、まるでゲームに講じるかのようにコードをつまみあげ、裏返し、ひねり、軽妙に意味をすり替えながら、コードとコードを組み合わせていきます。これらがM A S Uのデザインアプローチに欠かすことができません。ヴィンテージを研究し、オーセンティシティを「復元」によって成立させるのではなく、現代の空気のなかで呼吸させることに結びついていきます――たとえば、マスキュリンな軍服を毛皮で仕立てること、シルクの生地を粗く扱うこと、古めかしいハンカチーフの刺繍と男性的なシルエットをミックスさせること、ポップコーントップスをメンズウェアとして発表することは、彼らにとって、決して奇抜なデザインではないのです。
「大袈裟にいうと、歴史の蓄積が生み出した記号の強さをリスペクトしながらも、現代を生きる自分自身の目を持ち、人のつくった記号に踊らされたくないんです。たとえ、丸だと思っていたものだとしても、裏に回り込んで見たら尖っていた。そういう発見、探索が大事なんじゃないかと常々思っています。たとえば、疑問視されない固定観念や行き過ぎたマッチョイズムが人々の苦しみを生みかねないことは明らかになっています。そうしたことに目を凝らし、メンズファッションを自由にしていくことが今季のテーマのひとつにありました」
メンズウェアではなく伝統的にはレディス、あるいはメンズウェアでは用いられにくいファブリックのチョイスは、シフォンやファンシーツイード、ダスティピンクを含むカラーパレットにあらわれています。セットアップやスリーピースで展開されながらソフトなテーラリングをベースに、ベルトループのないコンフォータブルなワイドパンツ、マフラーの襟つきのジャケットベスト、プリーツスカートを発展させたスラックス、ラビットのモノグラム柄、マダムチックな花のキルティング模様、ミンクのファーコートをプリントしたシャツやスカーフにも今季のマインドセットがあらわれています。不規則に散りばめられたラメ、あるいは、ハートを描くメタルスタッズを組み合わせるとクローバーになること、ベルト裏の仕様に採用された懐かしい壁紙風のハンドドローイングで描かれた花束柄は、優しさに重きを置くM A S Uが投げかける、柔軟な眼差しのメタファーです。
「些細な文脈をすり替えたようなデザインに共感できる人は、きっと細やかなことに気が付ける、優しい人なのだと思います。テーマにそぐったデザインを徹底し、矛盾や無意味さを混在させずに生み出す『純度』は目にはうつらないかもしれません。が、 そうした姿勢を貫いてブランドを前進させていくなかで、共感を持って袖を通してくださる方が増えてきました。10歳にも満たない頃、油画を描く祖母が暮らす家を訪ね、クローゼットを物色してロックスターのような格好をして遊んだことを今でも鮮明に覚えています。しばしば私は、選んで着ること、変身できること、そして、それを見た人々のリアクションを楽しんでいたあの頃の自分を思い出しています」
NOUVERTEmagazine,ASOBINoBAでは2シーズン目となる21AW。
「強靱さ、逞しさ、勇敢さ、好戦性」といった男らしさという思想を重んじるマッチョイズムからの解放。
"男だったらこうあるべきだ"という固定観念やそういった風潮から、男性像を解放し、"男性も繊細な感情や弱い部分、細やかさ、優しさを持っている"という新たな男性像を世に投げかけ続ける姿勢。
そんなメンズウェアをより自由にしていくことを提案する、M A S U の姿勢とクリエイションが多くの共感を得ているのではないでしょうか。
ユニセックスではなくあくまでメンズウェアとして提案し続ける姿勢。伝統的にレディス、あるいはメンズウェアには用いられにくい要素を組み込むことで、男性像を自由にするだけでなく、女性に対しても敬意を感じられるのです。
だからこそ男性だけでなく女性からも支持されているのだなと。
1stと1.5thデリバリーでは、早くも完売アイテムや残りわずかとなるアイテムも多くなっており、今シーズンも勢いは収まるどころか増しております。ぜひお早めのチェックを忘れずに。
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